奥村家(おくむらけ)・奥村吉兵衛(おくむらきちべえ)

奥村家(おくむらけ)は、千家十職の一つの表具師を務める家系

奥村吉兵衛(おくむらきちべえ)は、奥村家の当主が代々襲名している名前

 奥村家(おくむらけ)では、三千家御用達の表具師として、家元らの揮毫の軸装(掛け軸に仕立てること)や風呂先屏風、紙釜敷、
三千家茶室の襖(ふすま)や障子、腰張などの建具類などの製作を行っている

【奥村家の歴史・経緯】

【奥村家の代々当主】

 <初代 吉右衛門>
 1618年(皇紀2278)元和4年〜1700年(皇紀2360)元禄13年9月
 諱:清定
 出家後法名:宗勢
 1646年(皇紀2306)正保3年、上洛、武士から母方の家業を継いで商人となる
 1654年(皇紀2314)承応3年、表具屋業として屋号「近江屋吉兵衛」を開業
 妻は、売茶翁の友人で、能書家として知られた亀田窮楽の伯母
 現在も奥村家の玄関にかかる「表具師」ののれんの揮毫は、亀田窮楽の筆とされる

 <二代 吉兵衛>
 1633年(皇紀2293)寛永10年〜1719年(皇紀2379)享保4年12月
 初代の長男
 号:休意
 1698年(皇紀2358)元禄11年、表千家6代 覚々斎の取りなしで紀州徳川家の御用達となり
 表千家の御用達にもなる

 二代 吉兵衛の長男 吉九郎は、25歳にて早世

 <三代 吉兵衛>
 1666年(皇紀2326)寛文6年〜1743年(皇紀2403)寛保3年3月
 二代 吉兵衛の婿養子
 出家後法号:休誠
 近江国浅井郡馬渡村の松山家の出身
 狂歌の作者、能書家でもある

 <四代 吉五郎>
 1737年(皇紀2397)元文2年〜1781年(皇紀2441)天明元年11月
 三代 吉兵衛の婿養子
 法名:道順
 近江国伊香郡高月村の田辺家の出身

 <五代 吉兵衛>
 1755年(皇紀2415)宝暦5年〜1825年(皇紀2485)文政8年8月
 三代 吉兵衛の婿養子
 出家後法号:了誠
 近江国伊香郡高月村の松井家の出身
 1788年(皇紀2448)天明8年の天明の大火により家伝などの一切を消失してしまう
 「三千家合作の三幅対」の土佐光孚筆の絵に、表千家 了々斎(宝珠)、裏千家 認得斎(小槌)の2作の賛を得て、表装を行った

 <六代 吉兵衛>
 1780年(皇紀2440)安永9年〜1848年(皇紀2508)嘉永元年8月
 四代 吉五郎の婿養子
 号:休栄
 近江国伊香郡高月村の宮部家の出身
 史料編纂に興味を持ち、天明の大火で失った家伝の再編纂を行い
 「奥村家系図」「千家御好表具并諸色寸法控」を著し、茶道具の様式や、茶会のルールなどの資料を残す

 <七代 吉次郎>
 1795年(皇紀2455)寛政7年〜1837年(皇紀2497)天保8年9月
 六代 吉兵衛の婿養子
 号:休音
 義父に先立って死去する

 <八代 吉兵衛>
 1804年(皇紀2464)文化元年〜1867年(皇紀2527)慶応3年7月
 出家後:蒿庵
 歴代中、「最高の表具の達人」といわれる
 学問に興味があり、岡本黄石(後の彦根藩家老)を師として儒学を学び、その紹介により梁川星巌、紅蘭夫妻と親交を持つ

 <九代 吉兵衛>
 1840年(皇紀2500)天保11年〜1908年(皇紀2568)明治41年11月
 八代 吉兵衛の長男
 名:義道
 小川町上立売から、現在の奥村家のある釜座通夷川へ移転する
 1882年(皇紀2542)明治15年に、「三千家合作の三幅対」のうち未完であった「天秤計り」に武者小路千家 一指斎の賛を賜り、
発起より60年後に完成させる

 <十代 吉次郎>
 1869年(皇紀2529)明治2年5月〜1944年(皇紀2604)昭和19年9月
 九代 吉兵衛の長男

 <十一代 吉兵衛>
 1901年(皇紀2561)明治34年〜1987年(皇紀2647)昭和62年
 十代 吉次郎の長男

 <十二代 吉兵衛>
 1934年(皇紀2594)昭和9年〜
 十一代 吉兵衛の子息
 1960年(皇紀2620)昭和35年、三千家に出仕する

表具

 表具師により、主に紙の茶の湯道具が製作される

 掛け物(掛け軸)・風炉先(屏風)・紙釜敷・襖・障子・腰張など

 茶の湯では、道具の一つが際だって美しいとか目立つ存在であってはならないとされる
 掛け物は、揮毫の筆致と仕立が調和しなくてはならない
 風炉先(屏風)は、点前座の道具類を引き立たせなくてはならない
 襖・障子は、茶室の造りや素材に溶け込まなくてはならないとされる

【紙釜敷】

 <釜敷>
 「釜置」とも称される
 初炭点前で釜を風炉や炉からあげて畳に置くときに使われる

 <紙釜敷>
 流儀によって材質や枚数などは異なる
 三千家では紙釜敷を正規のものとされている
 通常、檀紙や鳥の子紙、美濃紙などが用いられ、約30枚を重ねて四つ折りにして使う
 千利休は、吉野紙を用いたといわれる

 炭点前を略すときは、紙釜敷に香合をのせて床に飾られる


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