法界寺(ほうかいじ)(HoukaiJi)

所在地:京都市伏見区日野西大道町   地図情報

真言宗醍醐派の寺院

山号:東光山(とうこうざん)

本尊:薬師如来

開基:日野資業(ひのすけなり)

勧請開山:伝教大師 最澄

西国薬師霊場第三十八番札所

通称:日野薬師(ひのやくし)、乳薬師(ちちやくし)

 法界寺(ほうかいじ)は、醍醐寺の南方、現在の宇治市との境界の近くに建つ寺院

 この地の山城国宇治郡日野は、日野氏の領地で、日野家の山荘があったところ
 藤原北家の一族の日野氏の氏寺で、薬師信仰がある
 代々の日野家の一族が、堂塔を整え荘厳美麗をきわめていたといわれる

 法界寺の近くには、親鸞聖人の生誕地にちなんだ日野誕生院もある

【法界寺の歴史・経緯】


【日野家】

 日野家は、儒道や歌道などで代々朝廷に仕えた公家
 藤原北家の一族で、藤原真夏(ふじわらのまなつ)が始祖とされている

 奈良時代後期
 宝亀年間(770年〜781年)の頃
 日野家の初代とされる藤原真夏(ふじわらのまなつ)は、勅使として宇治郡萱尾の山辺にさしかかった時、
ある翁(おきな)に「萱尾の翁としてあなたが来るのを千年も待っていた天押雲命(あめのおしぐものみこと)である」
「ここは仏法有縁の地である」「この地に住む心があるならば、自分の願いは足りる」と告げられ、
光仁天皇にその旨を報告したところ、この地を授かった

 藤原真夏は、この地に翁(萱尾明神)を祀る社殿を建立し、別行を営み、萱尾神社を創建する

 この山が奈良の春日野に似ている事から、地名を「春日野」と改めて
社殿の前に、「春日野」と記した標木を建てたが、ある日、一匹の鹿が現れ「春」の一字を食べ取り姿を消し、
それ以来、「日野」の2文字だけが残り、地名となっていった

 1051年(皇紀1711)永承6年
 7代目 文章博士 藤原資業(日野資業(ひのすけなり)が出家し、
 この地にあった日野家の山荘を寺院に改め、胎内仏を持つ薬師如来像を祀る薬師堂を建て法界寺を建立
 地名にちなんで、屋号を「日野」に改める

 平安時代末期
 日野有範の息子として、浄土真宗開祖 親鸞聖人が誕生し、9歳頃まで、この地で過ごしたといわれる

 室町時代には、将軍家との縁戚関係を深くもった家柄

 日野業子が3代将軍 足利義満の正室となり、日野業子が亡くなると姪の日野康子が後室になる

 日野康子の妹の日野栄子が4代将軍 足利義持の正室になる

 日野宗子が6代将軍 足利義教の正室となり、後に政略的に離別させられ、
 妹の日野重子が側室となる

 日野富子が、8代将軍 足利義政の正室となる

 江戸時代
 家禄千百石余り

 子孫は、日野家を筆頭に、広橋家・柳原家・烏丸家など12家が存在した




【法界寺の伽藍】

 <阿弥陀堂(あみだどう)(国宝)>
 山門から石畳の正面に立つ
 鎌倉時代
 1226年(皇紀1886)嘉禄2年
 右大臣 藤原宗忠(母親が日野家)により建立される

 方五間(正面、背面、両側面の柱間の数がいずれも5間)の堂の周囲に1間の裳階(もこし)が巡らされている
 屋根は、宝珠露盤が置かれた宝形造で、檜皮葺、勾配はゆるやか

 内陣の阿弥陀如来を取り巻く長押の上の漆喰の小壁に描かれている天人壁画(重要文化財)は、
創建当時の絵画で、完全なものとしては最古のもので、日本絵画史上の貴重なもの
 飛天が空中より散華して、本尊に供養する姿が自由奔放に描かれている
 外壁には、阿弥陀の坐像、四天柱には金剛界曼荼羅の仏像と宝相華(重要文化財)が交互に描かれている
 支柱、各天井にも宝相華が描かれている

 浄土教や末法思想などの影響で建てられた典型的な阿弥陀堂建築の一つ

 <本堂 薬師堂(重要文化財)>
 五間四方・寄棟造・本瓦葺・単層建築
 内部は、格子によって内外陣に区切られた密教寺院様式
 1904年(皇紀2564)明治37年
 奈良県斑鳩町竜田にあった伝燈寺の本堂(1456年(皇紀2116)康正2年の建立)を移築したもの
 室町時代、1456年(皇紀2116)康正2年の建築を示す銘文がある

 <弁財天堂
 <池>

【法界寺の寺宝】

 <薬師如来立像(重要文化財)
 本尊
 平安時代後期の作
 胎内には、日野家に代々伝わる伝教大師 最澄自作といわれる三寸の薬師像が納入されている
 胎内仏ということで、安産祈願・子授け祈願などのご利益があり、祈願すると女性のお乳の出がよくなるといわれ、
「乳薬師」と称されて信仰されている
 赤ん坊の前掛けが多く奉納されている

 <木造 阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)(国宝)
 阿弥陀堂の本尊
 平安時代後期の作
 平等院鳳凰堂の本尊に最も近い仏師定朝の様式を受けた定朝様の典型的な作
 寄木造・漆箔・八角九重の蓮華座の上に飛天光を背にして坐っている
 像高2.8mの丈六、上品上生(弥陀定印)、穏やかな慈容、流れるような衣文をたたんで薄い衣をまとっている
 平等院法金剛院とともに、「定朝の三阿弥陀」と称される

 <脇士日光月光十二神将立像(重要文化財)>
 運慶の作といわれる

 <阿弥陀堂内陣壁画23面(重要文化財)>



【法界寺の祭事】

 <日野裸踊り(京都市登録民族無形文化財)
 1月14日
 五穀豊穣・諸願成就が祈願されて行われる修正会(しゅしょうえ)の結願日にあたる
 阿弥陀堂の広縁で、清進潔斎した少年と青年の2組が、袴一つの姿で、両手を頭上高く拍ち合わせ、
「頂礼頂礼(ちょうらいちょうらい)」と連呼しながら背中を押し合う

【その他】

 <日野誕生院
 法界寺の東にある
 浄土真宗の開祖 親鸞聖人が生まれた場所

 <日野家廟所
 法界寺の東北にある

【法界寺へのアクセス】

 京阪バス 日野薬師 すぐ
 京阪バス 石田 徒歩約15分


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