豊受大神宮(とようけたいじんぐう)(ToyouketaiJinguu)

伊勢神宮の正宮

所在地:伊勢市豊川町   地図情報

祭神:豊受大御神
相殿:御伴神三

社格式内社明神二十二社

創建:雄略天皇

通称:外宮(げくう)

 豊受大神宮(とようけたいじんぐう)は、伊勢神宮の正宮、伊勢の度会の山田原に鎮座している宮

 神宮の2つの正宮のうちの一つで「外宮(げくう)」と称される

 皇大神宮(内宮)の創建から約500年後に、食物・穀物を司る神さんである豊受大御神が祀られている
 「外宮先祭」と称し、神事は外宮・内宮の順で行われ、参拝も外宮・内宮の順で行なう

【豊受大神宮の歴史・経緯】




【豊受大神宮の祭神】

 <豊受大御神
 「古事記」では、伊弉冉尊の尿から生まれた稚産霊(わくむすび)の子とされている
 「ウケ」とは食物のことで、「御饌都神(みけつかみ)」とも称され、食物・穀物を司る女神
 後に、稲荷神(倉稲御魂神)と習合して同一視されるようにもなる

 「止由気宮儀式帳(とゆけぐうぎしきちょう)(804年(皇紀1464)延暦23年の編纂)」によると
 古墳時代
 478年(皇紀1138)雄略天皇22年
 雄略天皇の夢枕に、内宮祭神の天照大御神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、
丹波国の比沼真奈井(ひぬまのまない)にいる御饌の神 等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と
神託があり遷宮された、元々は丹波国の神さん

 比沼真奈井(ひぬまのまない)の候補地
  真名井神社籠神社摂社)(宮津市) 内宮祭神の天照大御神もおられた元伊勢
  豊受大神社(福知山市大江町)
  比沼麻奈為神社(京丹後市峰山町)
  奈具神社(京丹後市弥栄町)



【豊受大神宮の宮域】

 神宮は125社の宮社の総称で、そのうち伊勢の山田原(やまだのはら)にある豊受大神宮(外宮)には、
正宮1、別宮4、摂社18、末社8、所管社4の全部で33のお宮がある

 <正宮(しょうぐう)>
 伊勢の度会の山田原に鎮座している
 御垣の規模や御正殿・西宝殿・東宝殿の配置、構造は、内宮とほぼ同じ

 御正殿(ごしょうでん)
 唯一神明造という檜の素木(しらき)を用いて、切妻(きりつま)平入(ひらいり)の
高床式穀倉(こくそう)の形式から発展した日本最古の建築様式

 柱は掘立で、全て直線的
 屋根は萱葺きで、両妻を太い棟持柱(むなもちばしら)が支えている
 棟には9本の鰹木(かつおぎ)がのせられている(内宮は10本)
 屋根の両端には、破風板の先端が屋根を貫いて、垂直に切られた4本の千木(ちぎ)が高くそびえている
 (千木の先が垂直に切られていて「外削(そとそぎ)」と称される、内宮は内削)

 御正殿を中心にして、瑞垣(みずがき)・内玉垣(うちたまがき)・外玉垣(とのたまがき)・板垣(いたがき)の
4重の御垣がめぐらされている
 御垣の最も奥の聖域を「内院」と称される

 東宝殿・西宝殿
 御正殿の前方(南側)(内宮では後方(北側))の東西にある
 萱葺・神明造

 中重鳥居
 内玉垣と外玉垣の間「中重(なかのえ)」の中間にある
 柱の左右には八重榊(やえさかき)が飾られている(内宮のみ)

 四丈殿
 中重鳥居の東にある萱葺の建物
 奉幣(ほうへい)のとき、幣帛点検の儀が行われる

 御饌殿(みけどの)
 東北隅にある(内宮にない)
 毎日朝夕の2度、天照大御神豊受大御神や神々に食事がお供えされる

 宿衛屋
 板垣の南北両御門内にある
 神職が交代で、一日中、祭神の近くで仕えている

 <新御敷地(しんみしきち)>
 正宮には、東西に同じ広さの敷地がある
 20年に一度の式年遷宮ごとに社殿が新しく造り替えられる

 <外宮別宮>
 別宮は「わけみや」の意味で、神宮の社宮のうち正宮に次いで尊いとされる
 「宮号宣下(きゅうごうせんげ)」により、勅書や後には官符で「宮号(きゅうごう)」が定められた
 宮域内に3社、宮域外に1社ある

 多賀宮(たかのみや)式内社
 祭神:豊受大御神の荒御魂(あらみたま)
 御正殿と同じ時期に式年遷宮が行われる最も格式の高い別宮
 約100段の石段を上った檜尾山(ひのきおやま)の上にあり、「高宮」とも記される

 土宮(つちのみや)
 祭神:外宮の土地の守り神である大土御祖神(おおつちみおやのかみ)

 風宮(かぜのみや)
 祭神:風の神である級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)
 鎌倉時代の2度の元冦(げんこう)の時には、神風(かみかぜ)を起こして日本を守ったといわれる
 内宮別宮にも、同じ祭神を祀った風日祈宮がある

 月夜見宮(つきよみのみや)
 祭神:月夜見尊・月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)
 外宮から北に徒歩約10分のところ伊勢市の中心街にある
 内宮別宮にも、同じ祭神を祀った月讀宮がある

 <外宮摂社>
 正宮・別宮を除いて、「延喜式神名帳」に記載されている神社を摂社とされ、全て式内社
 16社

 度会国御神社(わたらいくにみじんじゃ)
 祭神:伊勢市を含む度会郡の守護神

 草奈伎神社(くさなぎじんじゃ)
 大間国生神社(おおまくなりじんじゃ)2座
 度会大国玉比賣神社(わたらいおおくにたまひめじんじゃ)
 田上大水神社(たのえおおみずじんじゃ)
 田上大水御前神社(たのえおおみずみまえじんじゃ)
 志等美神社(しとみじんじゃ)
 大河内神社(おおこうちじんじゃ)
 清野井庭神社(きよのいばじんじゃ)
 高河原神社(たかがわらじんじゃ)
 河原神社(かわらじんじゃ)
 河原淵神社(かわらぶちじんじゃ)
 山末神社(やまずえじんじゃ)
 宇須乃野神社(うすののじんじゃ)
 御食神社(みけじんじゃ)
 小俣神社(おばたじんじゃ)

 <外宮末社>
 正宮・別宮・摂社を除き、「延暦儀式帳」に記載されている神社を末社とされ、全て式内社
 8社

 大津神社(おおつじんじゃ)
 五十鈴川河口を守られている

 伊我理神社(いがりじんじゃ)
 県神社(あがたじんじゃ)
 井中神社(いなかじんじゃ)
 打懸神社(うちかけじんじゃ)
 赤崎神社(あかさきじんじゃ)
 毛理神社(もりじんじゃ)
 志宝屋神社(しおやじんじゃ)

 <外宮所管社>
 正宮・別宮・摂社・末社以外の神社を所管社とされる
 4社

 御酒殿(みさかどの)
 神酒が納められている

 四至神(みやのめぐりのかみ)
 正宮の前に祀られており、外宮の境界を守る

 上御井神社(かみのみいのじんじゃ)
 下御井神社(しものみいのじんじゃ)

 <第一鳥居・第二鳥居>
 表参道に立つ

 <火除橋(ひよけばし)>
 第一鳥居からの入口に、防火のためにつくられた掘川にかけられている橋
 火除橋をわたると外宮神域に入る

 <北御門(きたみかど)>
 外宮神域に入るもう一つの入口で、火除橋がかかっている

 <北御門鳥居>
 北御門参道に立つ

 <忌火屋殿(いみびやでん)>
 神さんにお供えする大御饌(おおみけ)や、日々朝夕の神饌(しんせん)を調理する台所
 潔斎した権禰宜が火錐具を用いて錐り出した神聖とされる火「忌火(いみび)」が用いられる

 <勾玉池(まがたまいけ)>
 勾玉(まがたま)の形をした池
 池畔には、舞楽の奉納舞台が常設されている
 中秋の名月の宵には、神宮観月会が行われる
 初夏は、花菖蒲の名所

 <別宮遥拝所>
 足腰が悪く別宮がある丘に登れない者のために、御池のほとりに遥拝所が設けられている

 <亀石(かめいし)>
 正宮から別宮へ向かうときの御池の川のかかる橋
 一枚岩で、亀に似ている
 高倉山の天岩戸の入口の岩を運んできたものといわれる

 <三ツ石(みついし)>

 <斎館(さいかん)>
 祭主・神職が潔斎をするところ
 第一鳥居のくぐった右手にある

 <神楽殿(かぐらでん)>
 参道沿に第二鳥居の向こう右側にある「神楽殿」「御饌殿」「御神札授与所」がある
 銅板葺・入母屋造の大きな建物
 神楽が奉奏される
 2000年(皇紀2660)平成12年12月14日に改築竣工

 <清盛楠(きよもりくす)>
 火除橋を渡った右手にある古木
 平清盛が勅使として参拝した時に、冠にその枝が触れたとされる

 <御厩(みうまや)>
 <五丈殿(ごじょうでん)>
 <九丈殿(くじょうでん)>

 <下御井神社(しものみいじんじゃ)>




【豊受大神宮の祭事】

 <日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)>
 毎日2回、外宮御饌殿において御饌を供えて行う神事
 「常典御饌」とも称される
 朝大御饌:毎日午前8時から午前9時まで
 夕大御饌:午後3時から午後4時まで

 神職たちは、前日から斎館にて潔斎される
 権禰宜が、忌火屋殿において火錐具を用いて錐り出した神聖とされる火「忌火」を用いて、
神職が調理した御飯(おんいい)(蒸飯)3盛、上御井神社の神水、御塩(みしお)、
干鯛(季節によりスルメ・カマス・ムツ)、乾鰹、海藻、野菜、果物、清酒3献を、
御饌殿において、禰宜、権禰宜、宮掌各1名、出仕2名が、
天照大御神豊受大御神・天手力男神・万幡豊秋津姫命・相御伴神三座に奉る

 神宮の神饌は自給自足とされている

 御塩(みしお)は、伊勢市内の御塩殿神社から、外宮の斎館へ運ばれてくる
 運ばれる御塩道が定められており、そのためだけに用いられる「御塩橋」がある

 米は伊勢市内の「神宮神田」、野菜は伊勢市内の「神宮御園」で作られている

 祭具の土器も多気郡明和町にある土器調製所で造られている

 <歳旦祭(さいたんさい)>
 1月1日
 新年を祝い、皇位の無窮を祈願する祭事

 <元始祭(げんしさい)>
 1月3日
 年始にあたり、天津日嗣(あまつひつぎ)の本始を祝う祭事

 <建国記念祭(けんこくきねんさい)>
 2月11日
 神武天皇の建国の創祀を祝う祭事

 <祈年祭(きねんさい)>
 2月17日〜23日
 神饌を奉納し五穀の豊かな稔りを祈願する大御饌の儀と、勅使が参向して奉仕される奉幣の儀の2つの神事

 <風日祈祭(かざひのみさい)春>
 5月14日 9時から内宮、17時から外宮
 風雨の災害が無く、五穀の豊穣が祈願される

 <御酒殿祭・春>
 6月1日 10時から内宮御酒殿

 <月次祭(つきなみさい)春>
 国家の平安と天皇の福寿を祈願する祭事
 神嘗祭とともに「三節祭」と称され、最も重要な祭事の一つ
 6月15日 22時から外宮
 6月16日 2時から外宮、22時から内宮
 6月17日 2時から内宮
 25日まで別宮・摂社・末社・所管社で行われる

 <夏越大祓>
 6月30日

 <風日祈祭(かざひのみさい)夏>
 8月4日 9時から内宮、17時から外宮
 風雨の災害が無く、五穀の豊穣が祈願される

 <御酒殿祭・秋>
 10月1日 10時から内宮御酒殿

 <神嘗祭(かんなめさい)>
 神官がその年に収穫された穀物を「大御饌(おおみけ)」として奉献する神事
 最も重要な祭事の一つ
 10月15日 17時から内宮で御卜
 10月16日 12時から外宮で奉幣の儀
 10月17日 12時から内宮で奉幣の儀

 <新嘗祭(にいなめさい)>
 11月23日から29日
 天皇がその年に収穫された穀物を宮中で神々に供えるとともに自らも召しあがる大儀が行われ、
収穫を感謝して神宮へ勅使を派遣されて奉幣の儀が行われる

 <御酒殿祭・冬>
 12月1日 10時から内宮御酒殿

 <月次祭(つきなみさい)冬>
 国家の平安と天皇の福寿を祈願する祭事
 神嘗祭とともに「三節祭」と称され、最も重要な祭事の一つ
 12月15日 22時から外宮
 12月16日 2時から外宮、22時から内宮
 12月17日 2時から内宮
 25日まで別宮・摂社・末社・所管社で行われる

 <年越大祓>
 12月31日

 内宮の正宮と荒祭宮のみで行われる御衣祭(おんぞさい)は外宮では行われない


【その他】

 <外宮先祭>
 神宮の通常の神事は、外宮・内宮の順で行われる
 参拝も外宮、内宮の順で行なう
 ただし、式年遷宮の遷御は、内宮・外宮の順で行われる

 <度会氏(わたらいうじ)>
 外宮の神官を世襲した氏族

 1296年(皇紀1956)永仁4年
 度会家行(わたらいいえゆき)が、豊受大御神は天之御中主神・国常立神と同神であり、
外宮は内宮よりも立場が上であるとする伊勢神道(度会神道)を唱えた

 <式年遷宮(しきねんせんぐう)>
 原則として20年ごとに、内宮・外宮・諸神社の正殿を造替して神座を遷し、
宝殿・外幣殿・鳥居・御垣・御饌殿など計65棟の殿舎など、全社殿の造替がされ、
装束・神宝、宇治橋なども造り替えられる

 奈良時代
 天武天皇により定められる

 690年(皇紀1350)持統天皇4年
 第1回式年遷宮が行われる

 戦国時代
 120年以上も中断されていた

 1993年(皇紀2653)平成5年
 第61回式年遷宮が行われる

 2013年(皇紀2673)平成25年
 第62回式年遷宮が行われ、正遷宮(御神体の渡御)が予定されている
 式年遷宮の各行事が2005年(皇紀2665)平成17年から行われている

【豊受大神宮へのアクセス】

 近鉄電車・JR東海 伊勢市駅 徒歩約5分
 近鉄電車 宇治山田駅 徒歩約10分

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